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□ミレイ展と名画の裏話
[2008/07/31 23:48]

こんにちは。北九州ブログのアリペジです。
イギリス芸術というと、どうしても堅いイメージが多いですが、
いえいえ、そんなことはありません!という芸術家をご紹介します。
現在、北九州市立美術館で開催中の「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」
6月7日(土)〜8月17日(日) 北九州市立美術館 本館
開館時間:9:00〜17:30(入館は17:00まで)月曜休館
この「ミレイ」は、フランスのバルビゾン派のミレーとは違いますので
ご注意。
シェイクスピアのハムレットに登場する「オフィーリア」の絵で
あまりにも有名ですが、日本ではあまりこの画家のことは知られていません。
実はモーツァルト、レオナルド、ラファエルのように“神童”だった彼は、
幼い子供時代から卓越したデッサン力で周囲の大人をアッと驚かせていました。
1829年6月8日、イギリス南部の港町サウサンプトン生まれ。裕福な家庭の末っ子で、4歳から描き始めた絵の才能は、9歳になるころには先生から「何も教えることもない。この子は天才だ!」と言われたほどでした。
今回の展覧会の一番最初の絵にはビックリしますよ。9、10歳頃の作品も来ています。
息子の非凡な才能に気が付いた両親は、彼をロイヤル・アカデミー付属美術学校に入学させますが、当時、11歳。これは学校始まって以来、史上最年少での入学になりました。
クラスメイトには、後に「ラファエル前派」の画流で知られることになるロセッティもいました。(ダンテの神曲のベアトリーチェのシリーズで有名)
あの名画「オフェーリア」は彼22歳の時の作品。ヴァチカンの「ピエタ」はミケランジェロが24〜25歳の作品。(ちなみにダビィデは29歳で完成)すごいですね、芸術家の皆さんは!
先日、「崖の上のポニョ」をフィーチャーした番組が放送されており、その中で宮崎監督はこのミレイの名画「オフェーリア」を見たくて、わざわざイギリスまで見に行ったそうです。その結果、ポニョの中に出てくるグランマンマーレは、このオフェーリアがベースになったそうです。
夏目漱石や森鴎外も感銘を受けた絵で、夏目漱石は著書「草枕」の中で何度も「オフェーリアみたいな…」「オフェーリアに…」と絵のことをたくさん取り上げています。
そんな有名な「オフェーリア」!イギリスまで行かなくとも、ここ北九州にキター!のです。(ごめんなさい)
ぜひ、一度そのお目目で確かめてみて!美しい絵でありながら、ミレイの特徴である見所は以下のとおり。
1)女性を描かせたら…天下一品の美しい仕上がり。
(ビクトリア時代の女性たちのあこがれの画家でした。まさに行列のできる画家さんでした)
2)物悲しい。一抹の寂しさ。憂いがある表情。しかし、その肌は光り輝く。
3)「ラファエル前派」(活動は5年間のみ)から影響を受けた細かい…細部まで入念に、極細の筆を使った表現部分。
絵の人物の衣装やアクセサリーや、窓の外の風景など、注目です!
4)従来の重苦しいイギリス肖像画にない
淡く、繊細で…そしてどこまでもとことん「ロマンチック」な表現。
5)子供を描かせたら最高!可愛いです!!彼の8人の子供たちの数人も登場。一番可愛いのは「初めての説教」かも。
名画「オフェーリア」のモデルは、アカデミーから一緒だったダンテ・ロセッティの後の奥さんになるエリザベス・シダル。
彼女を描くために、浴槽にお湯を張り、長時間水につかってもらったそうですが、お湯を温めたランプが消え、おかげで彼女は風邪(ほぼ肺炎)をこじらせてしまう。
1月から3月寒い時期、ミレイが見つけた古着屋のドレスを着て、辛抱強くバスタブの水に耐えた彼女。
これに怒った父親はミレイに治療費と賠償金を請求。支払ったミレイですが、皮肉なのはこのオフェーリアは物語上ではハムレットに父親を殺され半狂乱になって(半ば自殺に近い)溺死をするのですが、モデルになったエリザベス(リジー)もロセッティとの子供を失った後、薬液を大量に飲んで自殺するという運命が待っていました。
そうこのオフェーリアは物語とその後の現実と共に・・・悲しい運命の女性を描いているのでした。
1852年にロイヤル・アカデミー展で発表された際、人々はこの絵に驚嘆し、ここからミレイの快進撃は彼が67歳で亡くなるまで生涯続きました。
貧乏で一生売れない画家もいる中、ミレイは歴史上まれに見る富裕で最も成功した画家の一人でもあります。
ちなみによく似た名前のミレーさん(フランス・バルビゾン派)はド貧乏で大変な生活を送っていました。彼の絵も今では行列が出きるんですけどねぇ。ゴッホのように絵が一枚もまともに売れなかった人もいれば、ピカソやミレイのように生前から精力的に絵を描けるラッキーな境遇にいた人もいる。
絵描きさんには才能だけでなく、運もかなり必要なようで…。ミレイの両親は彼の才能を大切に育ててくれたようですが、子供の才能を見極めて正しい道へ導く“親”にも見抜く才能が必要なのかもしれません。
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深いですねより
(2008/08/01 16:32)
何気なく見ていた絵画にもいろいろな歴史があるんですね。そうゆう画家のことを知るとまた違った目で絵画を楽しめそうですね。ミレー展行ってみます。
どんな花より
(2008/08/03 22:55)
水面に浮かんでいるのは、たくさんの花のようですね、いろんな種類があるのかな?
名画「オフェーリア」だけ見ても価値あり、のようですね。
ボストン美術館展より
(2008/08/14 23:07)
お盆に福岡市美術館で開催中の
ボストン美術館・浮世絵展に。
浮世絵が版画であるってよくわかりました。
広重の東海道五十三次で 鞠子茶屋ってお気に入りがあるのです。
この前 萩市立美術館では 鞠子茶屋の題で 絵の中に「鞠子」ってちゃんとあった。 アレレ??
で、ボストン美術館展では、同じ絵なのに 「丸子」って。出口にいた平成浮世絵を販売するおじさんに聞くと、初版は「丸子」その次の版からは「鞠子」になったって。
そんな例が浮世絵にはたくさんあるそうです。それを見つけるだけでもたのしい。ちなみに「日本橋」の七つ立ちも、2つあるのには驚き!
江戸時代の浮世絵で薄い黄色、うす紫色が退色もせずに、この目で見ることができたのは感激でした。