変わりゆく時代の中で、私たち印刷業界がやるべきこと
アロー印刷株式会社
代表取締役 堀川 国彦さん
「アロー印刷株式会社」は、進行する印刷業界の中で、常にその時代のニーズを考え、
早くから環境問題にも取り組んでいる会社です。
全国5ヵ所に支社・支店があり、北九州でも会社の名前を
ご存知の方も多いのではないのでしょうか。
その会社を率いる2代目社長、堀川国彦さんにお会いしました。
■印刷業界の今
パソコンで誰もが手軽に印刷できるようになり、ニュースも小説も
インターネットや携帯電話で読める時代。
ITが劇的に進歩する中で、印刷業界は今どのようなスタンスにあるのでしょうか。
「印刷というのは500年の歴史があるので、技術的にはもう成熟した世界なんですね。
さらに、パソコンの普及で印刷が簡単になって、1億2千万人総印刷屋さん時代と言
われていて、紙媒体の需要があまり伸びない中、どうやって差別化を図り、我々にし
かできないものを生み出して行くかがポイントなんですよ」

デジタル化が急速に進んで便利にはなりましたが、手に取って読めると
いう“安心感”が紙媒体の良さですね。
「そうですね。かつてレコードがCDに変わって行ったように、紙媒体から
電子媒体に移行することで消えていくものもあるけれど、もちろん、残って
いくものもたくさんあります。例えば、家庭で印刷できるA4サイズ以上の
ものや特殊加工、大量印刷・製本などはやはり専門の設備と技術が必要です
し、必要な情報を必要な人に伝える、という意味でも、紙媒体の役割は大き
いと思います」
500年もの年月をかけて進歩してきた印刷業界。その歩みは人間のスピードに
合っているのだそうです。
「30歳以下は新聞をあまり読まない世代と言われ、パソコンや携帯電話で
情報を得る時代になって、めまぐるしく時代は進んでいるわけですが、人
間はその速度にそろそろ疲れてきているんです。人間というのはアナログ
で生きているものなので、最終的に、アナログ的なもので視野に訴えると
いうのは絶対になくならないと思いますね。
若い人たちに、このアナログをどうアピールしていくか。これから人口が
減るので当然総量は減ってくるのですが、“見るものの価値”はいくらでも
上げられるわけですからね」
■品質管理、環境保護への取り組み
これからの印刷業界に必要な差別化の1つとして、また、社会の一員として、
アロー印刷は品質管理と環境保護に徹底的に取り組んでいます。
ISO(品質管理、品質保証の国際規格)9001:2000、紙の“産地”や加工、
流通まできちんと追跡できる森林認証(FSC-COC認証)、
環境にやさしい印刷方法と材料を使用していることを証明する
環境保護印刷(クリオネマーク)などを所得し、
チームマイナス6%にも参加しています。

「今、環境問題が大きくクローズアップされて、再生紙のエコ偽装も問題に
なりましたが…。表示と中身が違っていても安くていいものだからいいじゃ
ないか!という時代はやっぱりあったんです。でも、それはもちろん間違っ
ていますよね。食品もそうですが、ああやって問題となり、皆の意識も変わ
っている中で、国も企業も変わっていかないといけない。
紙はエコの優等生なんですよ。昔から廃品回収があって、リサイクルが確立
されているでしょう?だから、その優等生をさらに、お客様にも満足、安心
していただけるものとして追求していかなければいけないと思っています」

エコに配慮した資材や印刷技術を採用することで、社会的責務を果たすだけ
でなく、お客様の多彩なニーズにも応えられるようになっているというわけ
ですね。
■堀川社長から見た北九州市
堀川社長の目には、北九州市を印刷の市場としてどのようにお考えでしょうか。
「北九州市は、鉄の街から、あれだけ環境汚染されていた洞海湾がきれいにな
って、一時衰退していましたが、今度は逆にエコを第一に考える都市として復
活を遂げようとしていますよね。自動車産業も数多く参入し隣接する宮若市の
トヨタ九州の生産台数は日本で一番です。過日も中国の視察団が来られていま
した。
響灘のエコタウンなど、世界的に見ても注目されるべき街だと思います。人口
は減っていますが、それはたまたまなんじゃないかな。人は呼べばいいんです。
トヨタが車の一番大切なものである部品工場を出したことも、カゴメが若松で
トマトを作っていることもスゴイことですよ。どこの街も今は財政が苦しいの
で、グローバルに世界に目を向けている都市だけが生き残れる。北九州市は世
界にPRできるものをたくさん持っていると思います」

一個人としても企業としても、一時期は停滞していた北九州市へ、また新た
な可能性を感じられているようです。
■休日は・・・
趣味はゴルフだそうですが、休日は家でのんびりしたりパソコンの整理をし
たり、奥様と仲良く2人でショッピングに出かけることも。
「この仕事は様々な業種の皆様との関わりがあるので、それぞれの“今”を知っ
ておかないといけないんですよね。なので、買い物に出かけても、今のショッ
ピングセンターの形態や新製品、物の値段などを見てしまいますね。あと、飲
み歩き、食べ歩きが好きなので、北九州のおいしいお店を探しています(笑)」
印刷物の内容は実に様々なので、雑学の知識も必要なため、休日も常にあらゆ
るところにアンテナを張っているという堀川社長。
本当にとてもたくさんのことをご存知で、お話は国際情勢や経済、歴史的な話
なども織り交ぜ、どんどん広がりました。
■守っていくもの、進むべき道
これからを生きる会社として、守っていかなければならないもの、変えていか
なければならないものがあります。会社に対する堀川社長の思いとは…。
「私がいつも社員に言っていることは、よそより早く正確に高品質なものを、
です。安いものはネットに流れていきますが、私たちはお客様の顔が見えない
商売はしません。いいものができたら一緒に喜ぶ、お客様の笑顔を見れるのが
何よりの喜びです。
そして、会社は人が背負ってくれているものです。従業員が働きやすい環境作
りと技能の向上、そして、いつでもお客様の要望に応えられる会社でありたい
と思います」
大量消費社会から高品質な少ロット社会へ。それが、印刷業界が進むべき道。
印刷会社はそれぞれ得意分野があるので、それを活かして将来を見据え、その
方向性に対して“人”が育っていくということが大事だと、堀川社長は力強く語
って下さいました。
最後に。インタビューのときに出していただいたお茶とコーヒーがとても
おいしかったです。会社の“心”が伝わって来ました。
ご協力ありがとうございました。

マスコット犬のアンディがお迎えします。
■アロー印刷株式会社のお問い合わせ
TEL 083-223-1211(代)
北九州市小倉北区浅野2丁目9-8小倉興産KMM南館405
TEL 093-513-8833
ホームページ http://www.arr.co.jp/arrow/
2008/05/12(10:46) カテゴリ:
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この記事に対するコメント
若松でカゴメ?トマト?
北九州市民なのに知りませんでした…
森林認証(FSC-COC認証)を気になって調べてみたんですが、流通の過程がすべてわかるなんて凄いですね!
やっぱり手にとって見れるっていいですよね。
どんなに時代が便利になっても、500年の歴史のある印刷は負けないでしょうね。
エコにも真剣に取り組んでいて、すばらしい〜。
最近の印刷技術はホント凄いですよね。ホント、空気と水以外は何でも印刷しちゃいそうですよね。
今は、紙という素材に印刷してますが、将来的には紙以外の素材が主流になる時代も来るんでしょうか?
是非、北九州でも飲み歩きを(笑)
わたしの事務所にも、わんこ置いてくれないかなぁ〜。
30年来の付き合い。
会社というより、ここの人がスキデス。
下関で飲んでみたい!
デジタルのシンボルといえばパソコン。ますます進化し続けることでしょうが、アナログのシンボル「紙媒体」も、ちゃんといっしょに生き続けます。
パソコンにプリンターがないということがありませんから。
大量に同一情報を紙媒体にしてつたえる使命も、不滅ですね。
この前テレビで、食べられる、匂い付きの印刷が出来るのを見ました。
今の技術はホントスゴイですね!
どんな素材にも印刷が出来るなんてアイデア一つでなんかヒット商品作れそうですよね!
響は凄い変わりようですよね。
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