北九州ブログ

■「今こそ大志を語れ」

(※今回は第8回高校生小論文コンクールの受賞作品のご紹介が届きましたので、掲載させていただきます。)



第8回高校生小論文コンクール(財団法人生涯学習振興財団主催、読売新聞西部本社共催、帝京大・帝京大グループ特別協賛)では、平成19年元旦にその優秀作品が発表になりました。
九州、沖縄、山口、広島、島根の高校生が対象で、募集テーマは「今こそ大志を語れ」。若い力にあふれ、熱いエネルギーや希望に満ちた作品がよせられ、その数が5000余編の応募があったそうです。
そのなかで、この北九州エリアでは奨励賞に、小倉商業高等学校の北村さんと八幡高等学校の木原さんの作品が選ばれました。おふたりの作品全文をご紹介します。

● 個人部門  奨励賞

「こころをとりもどせ」
    小倉商業高等学校 3年  喜多村 彩さん


 今日、ニュース番組を見ると、日に一件は若者による事件が報道されている。同年代の私にとってこの事実は心が痛むと共に、将来への不安を募らせる。
何故、若者たちは犯罪を犯すようになってしまったのだろうか。

 モラルの低下や他人への思いやりの欠如といった理由が挙げられているが、それらを包含する根本的な原因は「愛情の薄れ」ではないかと私は考える。
 新聞でも頻繁に取り上げられている、小学生から高校生の暴力行為や児童相談所へのアクセス件数とその内容を見ても、それは容易に見てとれる。日々親から暴力を振るわれ、学校で同級生にやつあたりする児童や、普段から親子の会話がなかった為にいじめの相談ができず、自殺してしまう学生がいる。これらの原因は、親から受けるべき「愛情」を十分に受けられていない環境にあるのではないだろうか。

 「親はなくとも子は育つ」という諺があるが、それは間違いだと言いたい。昔は、近所の人々との連携で子供たちに必要な最低限の常識が自然体で教えこまれていた。だが、犯罪が増え他人との接触を拒むような今の社会で、この諺は無神経な放任主義を表しているようにも感じられる。たしかに、基本的な生活を送っていれば身体は大きくなる。しかし、こころの成長はどうだろうか。親から正しい常識を教えられない子どもは、自分の好きな雑誌やゲームから得た知識を価値観とし物事を判断するようになる。今日の雑誌や暴力を扱うゲームが、一体こころの何を育ててくれるのだろうか。
 子どもが育つにあたって一番重要なのは、自分を生んでくれた親であり、その親から受ける愛情なのである。しかし片親や共働きの家庭が多い今、親子が共に過ごす時間は年々減っている。幼稚園くらいまでは一緒にいてあげようと考える親は多いようだが、小学生や中学生の多感な時期から思春期の高校生に至るまで、子どもにとって親は必要不可欠な存在なのだ。

 最近、とあるコマーシャルを見て私は感銘を受けた。「抱きしめるだけで、愛情は伝わる」というただそれだけの言葉に、私は泣きそうになった。多くの言葉よりも、ただ「あなたが大事なんだ」というその意思表示だけで、どれだけの想いが伝わることだろう。
自 分の生命の尊さを知ることで、ヒトは、他人の生命の重さを知ることができる。それを伝えるのに、理屈は要らない。愛情をもって接するだけで、人間は自分の存在を知り、大切に想われていることを知るのだ。他人に愛情を示すのに、今の若者は愛情というものを知らなすぎる。その若者たちに愛情を教えてあげられるのは、何者でもない、彼らの親たちなのだ。
 親から愛情を教えられなかった子どもは、他人を思いやり愛することを知らない。だから、他人のものを奪って平気な顔をする。愛情を知らない子どもは、自分の生命の価値を知らない。だから、自ら命を絶ってしまう。自分の生命の価値を知らないから、他人の生命を奪っても何も感じない。
 そんなことであっては、いけない。

 生命の尊さを教えられるのは、その生命を創った親だけなのだ。難しく考える必要はない。素直に、真っ直ぐに、我が子に「愛してる」という想いを伝えてあげてほしい。
 一人でも多くの人が、本当の愛情を知り、生命という存在に対して不当な扱いを受けることのない社会になることを、心から願う。

● 個人部門  奨励賞

「食べ物で日本は変わる」
    八幡高等学校 1年 木原 三佳さん


 私の祖母は、体の弱い祖父のために無農薬の米や野菜を作っていました。そして祖父が亡くなってからも、祖母はずっと畑でこれらを作り続けてきました。私もときどき祖母の畑を手伝っています。このようなことがきっかけで、私は将来無農薬の農業を営みたいと思うようになりました。

 祖母が作る無農薬の野菜はとてもあまく、水々しく、舌がちっともいがくない(後味が悪くない)やさしい味がします。私はその中でもトマトが大好きで、夏になると朝昼晩、ほぼかかさずに食べています。シャッキリとさわやかであまいトマトは私にとって夏の訪れを一番に感じさせるものです。
 市販の野菜は、苦みのような後味の悪い思いを経験したことがあると思われます。それは、農薬や添加物など人間の体に悪影響を及ぼすものが含まれているからです。祖母がよく言いますが、人参やじゃがいもといった根菜類は、土の中の養分を全部吸収して大きく育っていくそうです。そこで農薬をかけたら農薬を全部吸収して大きくなってしまうので本来の味が損なわれるそうです。
 また農薬を使うと、土がやせ衰えて月日がたっていくと、使えなくなってしまうそうです。私はこのような話を多くの人々にも知ってもらいたく、本当の野菜の味もわかってほしいので、私は農業がしたいのだと思います。

 現在日本から安心できる食べ物がどんどん減ってきています。食料自給率も低下し、輸入ばかりに依存して生活しているといっても過言ではありません。輸入が全て悪いとはいいませんが、ほとんどの食品に農薬や保存料などの添加物が含まれています。かといって輸入を止めると、わたしたちはきっと暮らしていけなくなるでしょう。小麦や大豆がなくなり、パンやメン類、しょう油といった日本人にかかせないものが消えてゆくからです。
 私は将来このようなことをふまえて、日本にもう一度生まれ変わった農業を発展させたいと思います。無農薬の米や野菜を作る自然農法の会社を立ちあげ、私もそのトップの方で仕事に携わりたいです。人々が安心しておいしく食べられる農作物を作りたいです。
 私は食べ物は人間を変える力をもっていると思います。おいしい食べ物を食べると自然と顔がほころび、体中にエネルギーが伝わっていくような感じになり、頑張ろうという気力がわきあがってきます。しかし添加物などの後味の悪いものがたくさん入っている食べ物を食べると、脱力感やイライラを感じたりして不愉快な気持ちになります。

 だから私は、人々が笑顔になれるような、生きていることを実感できるような、エネルギーに満ちた食べ物を作りたいです。そしてそんな社会になれば、食料自給率もきっと上がり、輸入に依存しなくても暮らせるような日本になるのではないかと思います。人間の生きる源である食べ物が変われば、人の心も変わっていくのではないでしょうか。現実に今わたしたちは、レトルト食品やファーストフードといったものを頻繁に食べています。今日、日本だけでなく世界は犯罪に染まっていつ何が起こるかわからない状態です。
 だからまず日本の食べ物から改革しなければならないのです。わたしたちの未来が明るく笑顔に満ちあふれるのを願って…。

北九州ブログ 空音(そらね)


2007/03/14(03:50) カテゴリ:people コメント(20) | トラックバック(0)

この記事に対するコメント

1.そうですねより  (2007/03/14 10:16)

喜多村さんの言うとおりですね。抱きしめるだけ、手をさすってあげるだけで愛情は伝わります。二親がそろって、そうできる家庭は多いのでしょうが、生活に追われる母子家庭などには、もっと優しい社会であって欲しいですね。

2.難しいけどより  (2007/03/14 10:25)

木原さん、いいテーマですね。理想を追いかけて行ってくださいね。文章の中には、乗り越えていかないといけない沢山の壁がありますが、一歩でも理想に近づくことが大切だと思いますよ。

3.普通の人より  (2007/03/14 10:30)

子供を育てていく過程で、子供にタクサンの親としての至らなさを教えてもらいました。愛の無い家庭って、いい歳をして未だに知らないんですけど、子供は撫でまくって育てろって言われたことがあります。喜多村さん、受賞おめでとうございます。

4.パリジェンヌより  (2007/03/14 10:43)

私の故郷では親のどちらかがいない家庭が50%くらいです。でも当り前に生活できて、当り前に子供は育ちます。結婚や育児に関しては、日本のほうがオカシイと思ってます。結婚=家:家って感覚が残ってるのかな。

5.受賞おめでとう!より  (2007/03/14 10:49)

食糧問題は国政ですね。1945年の敗戦から長い歴史を経て、今のような惨憺たる農政になりました。木原さん達の若い力に期待したいですね。

6.北九州ブログ読者より  (2007/03/14 17:18)

喜多村さん、木原さん、おめでとうございます。「最近の若い者は・・・」と奈良の昔から嘆かれていたそうだけど、事実はお二人のように立派な若い人の方がズット多いです。これからも前向きに生きて行きましょう。

7.おめでとうございますより  (2007/03/15 13:52)

文章を書くことの大切さを,皆に分かってほしいですね。

8.高校生だった頃より  (2007/03/15 21:10)

立派ですね。喜多村さん、木原さん。10年前の自分は、こんなこととても考えませんでした。教師もこんな話には全然触れませんでした。駄目なのは無関心ということだなと気づかされました。この歳になって・・・・・・・・・。

9.おじゃましますより  (2007/03/16 09:41)

高校生ってこんなにも文章能力があるんだって思わされました。それにくらべて私は小学生並の文章能力・・・才能ってうらやましい

10.空音(そらね)より  (2007/03/17 06:55)

書くことで自分の気持ちが整理できたり、発見があったり・・・「書く」っていいですね。
うまく書こうと思うと、なんだかへんちくりんな文章になったりしますが、素直に書くと心のリハビリになる・・・ような気がします。

11.こころざしより  (2007/03/17 13:56)

大志が無い人生だった。小志もなかった。生きるだけで精一杯。でも、こうして二人の文章を読むと、10代からの志が人生を大きく左右するってことがよくわかった。

12.こころざしさんへより  (2007/03/17 17:21)

人から聞いた言葉ですみません。「字を書くということは、頭の中の漠然としたイメージをトレースし、整理し、現実化への前進に繋がる」←そのとおりだと思います。機械をつくるには設計図が要りますが、人間が大志をなすにもやはり設計図が要るんですね。

13.拍手より  (2007/03/17 17:26)

木原さん、拍手です。いい作品ですね。もっと小論文らしくするには、ネットなどで農水省の統計数字を調べて、文中に織り込めばもっといい作品になったと思いますよ。

14.ライフより  (2007/03/18 08:51)

大志か否かはともかく、進路を明確にするって必要です。フリーターさんの多さをみると、他人事ながらその人の将来が心配です。

15.楽しく生きようより  (2007/03/18 12:55)

将来の夢をもって生きましょうよ。職業でも、ヴォランティア活動でも、暖かい家庭ずくりでも、・・・・・・生きるには何か目標があったほうが楽しいですよ。目標がナイッテ寂しいですよ。

16.おめでとうより  (2007/03/18 17:36)

トニカクおめでとうございます。
スポーツとかはヤタラ新聞が報道するけど、こんな文化からみのことも取り上げんとイケンです。口先だけで、文字離れとかゆうても信用せんですよ。

17.若者達より  (2007/03/20 18:46)

日本の将来はあなた達のもの。不の遺産も大きいけど、夢を捨てずに歩いてください。

18.老人より  (2007/03/21 21:22)

あなた達が社会を支える頃、もう私はこの世にはいないけど、自分の夢の実現はもちろん、弱者にも十分な目配りが出来る社会を創ってくださいね。

19.老人さんへより  (2007/03/22 18:11)

私たちも老け込まないで社会のお役に立ちましょうよ。

20.ゆめより  (2007/03/24 10:16)

将来に夢をいだいていた友達は、みんなソコソコ形になっているようです。医師になりたいとか、パイロットになりたいとか、変わったのでは防衛大学に行きたいとか。もうアイツは佐官クラスになったかな?

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